〜四季〜




不如帰(ほととぎす)啼きし 紅梅に
口付けせしむ 春の風
夕月夜(ゆうづくよ)見えし 頂に
薄ら見えゆく 夏の色



紫陽花(あじさい)の花に 蛙(かわず)あり
傘さしかけし 夏の雨
蝉時雨聞きし 遠き夏
幽か聞こゆは 秋の風



山茶花(さざんか)咲きし 小道にて
寂しき風の 歌を聞く
空に翳りし 月霞
ひらり届くは 冬の香



雪礫(ゆきつぶて)舞いし 遊戯には
楽しかりけむ 笑い声
白に混じりし 涙には
願い託せぬ 春の夢



廻り廻りて朝来たり
願い届けし風車